≪ 反戦・反核・反原発、平和と民主主義を守る特別決議 ≫

 東京電力福島第−原子力発電所事故について、政府・国会・民間・東電のそれぞれの最終報告書が出そろった。「訴訟対策」か、と言われるほど自己弁護している東電を除き、いずれの報告書からも、規制当局と東電による、最悪の事態を想定した対策の徹底と被災直後の初動対応が適切であったならば、深刻な事態は防ぐことができた可能性が強まった。
 とりわけ、国会の事故調査委員会報告書では、「『自然災害』ではなく『人災』である。」と、結論づけた。事故対応の拙さは、原発の「安全神話」にとらわれた結果でもあり、自民党政権時代の原発推進政策や、経済性を重視するあまり経済界・学界・規制組織が「原子力『ムラ』」をつくり、地震や津波の危険性に目を背けた構造も断罪されなければならない。
 事故現場には容易に近づけないため、原因の調査・検証が終わっていない中で、野田首相は、「国民の生活を守るため」と称し「私の責任」で、関西電力大飯原発の再稼働に踏み切った。
 東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を省みないおざなりの安全評価と、電力不足を口実にしての政治判断は許されるものではない。
 こうした中、7月16日に東京・代々木公園で開催された「さよなら原発10万人集会」には、原発再稼働に反対し「原発ゼロ」を訴えて、全国各地から市民・民主団体・労働組合など過去最大の17万人が結集し怒りの声を上げた。さらに、毎週金曜日に行われる「反原発官邸前デモ」は、開催ごとに参加が数万人規模へと拡大し、国民の怒りと運動は大きなうねりとなっている。
 同時に、広島・長崎への原爆投下から67回目を迎えた平和記念式典で広島・長崎両市長は、「核兵器廃絶」と共に、国に新たなエネルギー政策の確立を求めた。
 唯一の被爆国として、悲惨な原発事故当時国として、日本には世界に「ノーモア核」を訴える責務があり、核兵器廃絶への取り組みと脱原発の動きを結び付けることが求められている。
 加えて、「経団連かいらい政権」「自民党野田派」と揶揄される野田政権は、消費税増税のみならず、TPP、沖縄・辺野古新基地建設、オスプレイ配備など対米追随の国民生活破壊にひた走り、国民の期待を裏切り続けている。
 2011年3月11日の東日本大震災から1年半が経った現在でも、福島県では16万人の住民が避難し、原発と放射線の恐怖と闘いながらの生活を強いられている。
 福島原発事故は、いまだに収束していない。そして「核と人類は共存できない」ことを教えてくれた。
 私たちは、安心して暮らせる社会を取り戻し、未来を担う子供たちを放射能から守らなければならない。
 国労東日本本部に結集する組合員は、反核、脱原発、再生可能なエネルギー政策への転換、消費税増税反対、医療・福祉・年金制度の拡充、米軍基地の撤去、TPPからの撤退、「武器輸出三原則の見直し」に続く「集団的自衛権について憲法解釈の見直しを検討する」など憲法改悪につながる策動などに反対し、国民生活と平和を守る運動に全力を上げよう!

以上、宣言する。

2012年9月8日
国鉄労働組合東日本本部第26回定期大会