≪ 大会宣言 ≫

 私たち国労東日本本部は、8月10日に岩手県・志戸平温泉で第27回定期大会を開催し、代議員の真摯な討論から当面する運動方針を確立した。
 国労の存亡をかけた課題である組織強化・拡大の取り組みは、昨年12月に本部が発した指令第1号以降、全国で○○名、東日本本部内でも昨年の大会以降〇〇名の加入を勝ちとる成果を上げた。目標とする組織の1割拡大には及ばなかったものの、7年連続となる新規採用者を国労に迎え入れると共に、社会人採用者をはじめとする平成採用者の国労加入の増大は、一括和解以降の客観的条件の高まりと、組合員の奮闘により労働組合加入は「選択」の時代に入ったと言っても過言ではない。
 多くの代議員からは、拡大の「種」は着実に「芽」を出しつつあるとの報告がされた。引き続き、「実」を結び「花」が咲く取り組みに全組合員が集中することを訴える。
 一方、今年の新規採用者を巡って一部支社では東労組に名簿を流出させるという由々しき事態が発覚した。改めて、一括和解の趣旨の徹底を会社に求めると共に、他労組の動向など、組織戦の観点からの警戒心を我々も強めなければならない。
 JR発足から26年を経た東日本会社は、昨年10月1日に「グループ会社と一体となった業務体制のさらなる推進」を実施した。これにより出向を伴う外注化施策が乗務員を除く全系統・職種に拡大。その後、通算5回目となる「グループ経営構想X〜限りなき前進〜」を発表、現在その実現に向け次々と施策を押し進めている。また、2年目を迎えたあらたな「人事・賃金制度」は、社員の個別管理・分断に拍車をかけている。
 貨物会社においても、「平成25年度事業計画」に組み込まれた「賃金抑制計画」によって、何ら労使協議も行われない中、計画を既成事実化する過去最低の夏季手当回答を行った。交渉を形骸化し、信義則にも反する行為は見過ごすことはできない。線路使用料などの構造的矛盾を放置したまま、労働者のみに犠牲を強いる経営は許せるものではない。
 7月21日に投開票された第23回参議院選挙は、戦後3番目の投票率の低さの中で、選挙区・比例区ともに自民党が議席を伸ばし大勝、1強体制を固めた。今後は、憲法改正に向けた動きに拍車がかかることは間違いなく、「護憲」の闘いは重大な危機に直面している。同時に、生活保護法をはじめとした社会保障制度の改悪や雇用破壊、消費税増税が、「格差と貧困」を一層拡大させる「アベノリスク」となって、私たちに襲いかかってくる事は必至である。
 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の発生から2年5カ月が経過した。7月31日には東日本大震災の復興予算の35.2%が使われなかったことが判明するなど、復興事業が遅々として進んでいない実態が浮き彫りになった。
 改めて、除染をはじめ生活基盤を再建する対策に全力を上げ、住民本位の復旧・復興のスピードをあげることを政府に求めるものである。
 消費税増税を判断する秋、TPPへの参加の是非を決める11月、原発再稼働の判断が出る年内あるいは来年初めなど、今後次々と重要な局面を迎える。
 私たちは、安倍政権が進める様々な戦前回帰の政策に対抗し、平和と民主主義を守る闘いに全力を挙げなければならない。
 安心して働き、暮らすことが出来る社会を実現するために、契約社員の正社員化、エルダー・委託先会社の社員をはじめとしたJRに働く全ての仲間の環境・待遇・労働条件の改善と、労働協約改訂にむけた運動や「安全・安定輸送」確立に向けた「仕事・安全総点検」の闘いなど、全ての取り組みを組織拡大へと集約し東日本本部に結集する全機関は全力で奮闘しよう。

 以上、宣言する。
2013年8月10日
国鉄労働組合東日本本部 第27回定期大会